初めに分かったこと・・・1
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 雷電神社に行きますと、祭神は、火牟須比神(ほむすびのかみ)と書いてあります。僕はこの神様のことを知りませんでした。(^^ゞ
 火牟須比神は、火産霊神であろうと思い、いろいろ本で調べて見ました。
 でも、火之迦具土神の別名と言う説がありますが、火牟須比神そのものの説明はついに見つかりませんでした。(あまり高級な本はありませんので、調査不足かもしれませんが (^_^;)
 どうもわかったようなわからないような、中途半端な気分でした。
 火之迦具土神でしたら、愛宕神社みたいに、火伏せの神として信仰されると思いますが、人に聞いて見ましても、特にそのような話もありませんでした。
 そして、なんとなく月日が経ってしまいました。
 そのうちに、伊豆古代文化研究会で、雷電神社から十国峠方面に登っていった山中にある岩藏や古代遺跡を調べるようになりました。そして、ここはもしかしたら雷電神社の神域かもしれないと思い、ついに調べてみることにしました。

●函南町史より、雷電神社の記述

 まず初めにしたことは、単純ながら、函南町の図書館へいくことでした。
 入り口をはいると親切な女子職員がおられて、その先の棚に、函南町史(上中下)がありました。
 さっそく、函南町史をめくりますと、 函南町史(下) 第七章、教育及び宗教 のところに、「雷電神社」の説明がありました!
 やはり、かなり古い神社らしい・・・!
 (詳細ページはこちらへ)

 初めに印象的だったのはこの文章、

昔「雷電権現」と言って、社の向きは熱海へ行き来する道に向いていて、旅人が馬や駕籠に乗ったまま通る時は祟りをしたので、現在の西向きに直したと言われている。

 なかなか怖い神様みたいだな〜 (^^; 『きちんとお参りしていよう』
 とはいえ、村社としては、歴史のありそうな感じがします。
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 熱海と縁がありそうです。またここに、大きな鳥居があったことから、「大鳥居」がなまって「大土肥」のとなったそうで、地名の由来にもなったらしい。
 『本当に、こんな風に訛るものかな?』とは、今でも半信半疑なのですが、その後、大土肥の由来を調べても、どれもこの説を紹介していますので、やはり、そうなのでしょう・・・
 鎌倉時代から大土肥にお住まいの原さんと言う方に伺いますと、大名でも馬を下りて、お参りしたと言い伝えがあるとの事です!
 なかなか大した神様です。むかしは有名な神様だったのでしょうか・・・


 さて、雷電神社の伝説(遺説)として紹介されているのは、4つでした。
  1. 大土肥村には雷が落ちたのを聞いたことがない。
  2. この神様は白馬を召すので氏子は白馬を飼っていない。
  3. 境内には「神石」があるが、この石に足を触れる人がいないという。
  4. 昔はこの社に御神木として大きな楠があったが今は枯れてしまった。
 1.の雷が落ちないというのはどうも確からしいです。 と、言いますのも、強電関係の電気技術者をされていたお隣さんが言うのには、「雷には、道というものがあって、だいたい落ちるラインが決まっている」とのこと、 そこで、大土肥には雷がおちるのかどうかを聞きますと、その「雷の道」からそれているので、雷は落ちたことが無いとのこと。その道のプロの言うことですから確かでしょう。やはり、伝説はただしかった!

 2.の白い馬の話については、神様の推理するときの手がかりです!お楽しみに。

 3.境内の「神石」には、ペトログリフでもないだろうかと期待したのですが、それらしい石は、どこにも見当たりません。
 ある方がいうのには、「神社を建て替えたときから、見当たらないような気がする」とのこと、おそらく子供のころの話でしょう。でも、「大事なものを建てるときに、神聖な石を埋めることがあるから、今の神社の下に埋めてあるのかもしれない・・・」ともおっしゃいました。
 きっと、そうだろうと思いますが、他にも、どなたかご存知でしょうか・・・

 4.の楠の木は、いまでは、見当がつきません。ここから近くの平井にある「天地神社(平井神社)」には、県指定の天然記念物の大楠があります。樹齢は推定950年だそうです。雷電神社にも、昔は、このような大楠があたのでしょうか・・・

 さて、伝説以外にも、ご本尊の話がありました。
 「惜しいことには、最も貴い古代の御霊代があったが、其の形が明かでないとして、明治の初年に仏体と交換されたが、いい加減なことをしたものである。」と記されている、とのことです。
 この『最も貴い古代の御霊代』とはいったいなんだったのでしょうか。この事はもう分かることはないのでしょうか・・・
 (しかしながら、今回調べてみますと、『仏体と交換』したことも、あながち的外れではなかったのかもしれません・・・あとで述べる私の推理が当たっていればの話ですが、、、)